会期折り返しを迎えたSCREEN展
当館の敷地内にある庭園は、紫陽花が色とりどりに咲く季節を迎えました。先日、鏑木清方記念美術館との合同開催企画「紫陽花が咲く記念館を巡る展示解説ツアー」を開催しました。同ツアーは今年で3年目を迎え、この時期の風物詩になりつつあります。今年も多くの方にお越しいただきました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。


4月よりスタートした企画展「映画雑誌SCREENの流儀 ―近代映画社の仕事」は、いよいよ折り返し地点にさしかかりました。

映画雑誌「SCREEN」を飾った映画スターと、「SCREEN」が映画スターをどのように紹介してきたかに着目した本展では、近代映画社所蔵の貴重な写真を中心に展示しています。


当館において写真がメインの展覧会は久々の開催で、展示室ではジョン・ウェインにスティーヴ・マックィーン、マリリン・モンローやオードリー・ヘプバーンなど思い出の映画スターが一堂に会しています。「SCREEN」の歴史の長さとともに、映画スターの変遷を辿ることができます。


また、今週は『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)と『クレイマー、クレイマー』(1979年)を上映しています。
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『ロシュフォールの恋人たち』が日本で初めて公開されたのは1967年。1960年代はミュージカル映画が多く公開されました。外に飛び出してロケーション撮影が行われた『ウエスト・サイド物語』(1961年)、豪華絢爛なセットで撮影された『マイ・フェア・レディ』(1964年)などが挙げられます。また、新たな映画スターとして『メリー・ポピンズ』(1964年)や『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)の主演女優ジュリー・アンドリュースが登場した時代でもありました。
同時期のフランス映画としては『シェルブールの雨傘』(1964年)と『ロシュフォールの恋人たち』などがあります。両作品ともジャック・ドゥミ監督と音楽を担当したミシェル・ルグランがタッグを組み、華やかで洗練されたメロディーが映画を彩りました。
『ロシュフォールの恋人たち』は実の姉妹であるフランソワ・ドルレアックとカトリーヌ・ドヌーヴが主演、さらにジョージ・チャキリスにジーン・ケリーなどミュージカル映画のスターも共演しています。ロシュフォールの美しい町並みとパステルカラーが基調となった画面も印象的な一作です。
『クレイマー、クレイマー』はアメリカン・ニューシネマの時代に台頭した映画スター、ダスティン・ホフマンの主演作。自分を取り戻すために家を出た妻と、妻の不在により仕事一筋の生活から一転、家事と育児に奔走する夫の姿を描いた本作には当時の世相が垣間見えます。ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープの抑えた演技は二人の実力を際立たせ、その後のキャリアを確立した一作といえるでしょう。また、父と子の不器用なやり取りと、どことなく開いてしまった二人の距離が徐々に縮まっていく過程は胸にくるものがあります。本作は多くの人々の心を動かし、「SCREEN」では1980年度の「読者が選ぶSCREEN映画大賞」の1位にも選ばれました。
今回は35mmフィルムで上映します。企画展関連上映としては唯一のフィルム上映をお楽しみください。
今回の企画展関連上映は、ジャンルも、登場する映画スターも様々です。「SCREEN」がテーマだからこそできた上映プログラムです。ぜひ当館でお楽しみください。
*展示室 一部展示替えのお知らせ*
6/15(日)営業終了後に映画スターのサインのコーナーを中心に一部展示替えを行います。6/17(火)より、新しい展示資料をお楽しみいただける予定です。
皆さまのご来館を心よりお待ちしております。
*「紫陽花が咲く記念館を巡る展示解説ツアー」追加開催のお知らせ*
好評につき、今年4回目の開催が決まりました!
日時:6/19(木) 13:30~14:30
会場:鎌倉市鏑木清方記念美術館、鎌倉市川喜多映画記念館
集合場所:鎌倉市鏑木清方記念美術館
料金:無料(別途観覧料が必要です)